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2009-06-04

プロバビリティ・ムーン(PROBABILITY MOON)



前回の読書から、間が空きすぎ。

三部作の第一部。

 

宇宙にスペーストンネルと呼ばれる、星系を繋ぐ未知の建造物があり、人類はそれを利用して太陽系外に進出している未来。そのスペーストンネルを数個くぐり、辿り着く辺境の惑星に人類が降り立つところから始まる。

その辺境の惑星は世界(ワールド)と呼ばれ、そこの住人は人間に非常に近くはあるが、ある決定的な違いを持っていた。

それが、『共有現実』というメカニズム。

世界人は、相手と現実を共有しないと、頭痛が起こってしまう。簡単に言うと、相手に嘘をつくことが出来ないのだ。法的にとか道徳的にではなく、生化学的に隠し事や謀が不可能となっている。

そんな牧歌的な社会なので、文明も地球の中世程度にしか発展していない。

そして、生まれつき、なんらかの理由で現実を共有できない者は、『非現実者』として忌み嫌われている……。

 

表向き、地球人は世界人と取引をしたり、科学的な調査を行うことを目的としているのだが、実は地球人がこの惑星を訪れたのには別の理由があった。その理由が、『共有現実』のメカニズムに大きく関係しているのだが、それはまた第二部以降で明らかに。

2009-06-02

make3.81の罠

cygwinのmakeを使ってる人なら、はまりがちな罠の一つに、make3.80とmake3.81の差がある。

他にも細かい差異はあるんだろうけど、一番困るのが、

Makefileの中に記述するパス形式に、ドライブレター指定を入れちゃいかん!

ってところ。

 

具体的には、


hoge.exe: hoge.o D:/lib/hoge.lib
$(CC) -o $@ $<


と書けない(make3.80だと、大丈夫だった)。

かといって、


hoge.exe: hoge.o /cygdrive/d/lib/hoge.lib
$(CC) -o $@ $<


と書くと、$(CC)がcygwinのパスを理解できない場合、終わる。


hoge.exe: hoge.o /cygdrive/d/lib/hoge.lib
$(CC) -o $@ $(shell cygpath -m $<)


と書くしかない。めんどい。

 

勿論、全てを相対パスで記述できるなら問題ないのだが、難しい場合もあると思う。

そこで、弊社のプログラマがある方法を思いついた(ここまで、自分で思いついたかのように書いてきたけど、実は他人の褌w)。

“Windowsツールでもcygwinのパスでアクセスできるようにすればいいんじゃね?”


と。

で、以下の方法。

 

1) まず、ドライブ直下に、(Dドライブなら)D:\cygdrive\dというフォルダを掘る



2) 『コンピュータの管理』->『ディスクの管理』から『ドライブ文字とパスの変更』を選び、『追加』をクリックして、先ほど作ったフォルダにマウントしてやる



3) こんな状態になるはず



4) 試しにDOS窓(cmd.exe)からアクセスしてみる



5) cygwinのシェルからもアクセスしてみる



ちゃんと両方とも、D:\にアクセスできてるのを確認。

これで、


hoge.exe: hoge.o /cygdrive/d/lib/hoge.lib
$(CC) -o $@ $<


と書いちゃってから、“うわーん、$(CC)がcygwinのパスを理解してくれないよー”と判明しても大丈夫。

 

当然ながら、ドライブ指定を省略しているので、同一ドライブ内のアクセスでないとダメ(と思ったけど、マウント方法を工夫すれば対応できるね)。

いちいち設定しないといけないのが面倒だけど、こういう方法もあるって事で……。