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2011-01-28

ノパルガース(NOPALGARTH)



タイトルのへんちくりんさに釣られて買ってしまったんだが、思いの外面白かった。


ザックス人の頭には、“ノパル”と呼ばれる、通常では見ることも触ることも出来ない生物が寄生していた。

ふとしたことからノパルを除去することに成功した、最初の解放者はトープチュと呼ばれ、以来解放者を増やしていった。

だが、寄生の影響により、それを由としない寄生されたままの集団であるチチュミーは、トープチュと戦い、百年の戦争の後、トープチュ達が勝利を収めた。

戦争の後、諸悪の根源ノパルが発生するとされる惑星、ノパルガースを浄化しようとするザックス人だったが、異星人である彼らは、ノパルガースでは自由に行動できない。そこで現地人の代表を立て、それにノパル駆除を託すことにする。

そのノパルガースというのは……。


抱腹絶倒ではないが、タイトルや、劇中に出てくる名詞がいい感じに狂っていて楽しい。

割と中盤に差し掛かるまで、一向に問題が解決する兆しを見せないので、「どうすんのこれ?」と思ったが、そこからあれよあれよという間に、どんでん返しと伏線の回収が行われる。

翻訳及び刊行は最近なのだが、原著が書かれたのはだいぶ昔らしく、古臭い部分も多少あるが、今読んでも十分に楽しいホラ話。

地球最後の野良猫(THE LAST FREE CAT)



猫が、致死性のインフルエンザを媒介する生き物として駆除、管理されるようになった世界の話。


野良猫は残らず駆除され、猫の繁殖は一企業によって管理されている。管理された猫には高値が付けられ、金持ち以外に買う(飼う)ことは許されない。

そんな中、主人公のジェイドは、ひょんなことから野良猫と出会う。

その野良猫をフィーラと名付け、家で隠れるように世話をするが、あえなく猫を不法に所持していることが発覚してしまう……。


読んでる時に感じたのだが、主人公の行動がとにかく少女漫画っぽい。というか、あの年頃の女子は皆ああなのか。

また、猫を題材にしているが、猫自体の描写はさほど多くないので、猫萌えにはあまり響かないかも。

ただ、垂れ流される公的な情報をみんなが正しいと信じていることについて、疑問をひたすら促すところや、人間のためだからと、“野良”を疑いもなく駆除してしまう人間に対する批判が、自分たちの生きるこの現実世界においても被るのではないかな。