水滸伝の十八巻が出るまでは、読書的に暇なので、なんかないかしらと、紀伊國屋で探していたら目に留まった一冊。
タイトルの、『~~諸国漫遊記』みたいなゆるい感じに惹かれたんだが、中身も相当ゆるい。
おおまかなところは、トルルとクラパウチュスという宙道士二人の旅を、おもしろおかしく語っているんだけど、描写や台詞がいちいち面白い。
「ひとつは貴公がもっていきたまえ。あとのひとつは拙者の手もとに残しておく」
この一文だけ切り出すと、とてもSFには思えないし、
ことの起こりは、なにを思いたったのか、あるときトルルが一台の計算機をつくったことにはじまる。ところが、せっかくのその計算機もたったひとつ、二掛ける二ができるだけで、おまけにそれさえ間違えるというしろものだったのである。
惑星間を行ったり来たりし、本人達(トルルとクラパウチュスはロボット)を生み出すほど、科学が発展しているというのに……、とツッコミながら読み進めなければならない。
翻訳なので、このゆるさは原著にも存在するのであろうが、日本語に翻訳される段階での、日本語ならではの表現によって、ゆるさがブーストされている。
まだ、第二の旅までしか読んでないけど、このゆるさが最後まで続くといいなあ。
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