実家に、
犬(雌)が二匹居た。
もう俺が実家を出てから飼い始めたので、連中にとっては、俺の方が外様に見えていたらしい。
特に茶色い方は、俺に媚びることもなく、『よくきたわね。ゆっくりしていきなさい』とでも言いたげな態度だった。
その茶色が、死んだ。
死因は、心臓の病気。元々、体も弱かったし、発作が起こって、二日も掛からなかったとのこと。
昨夜、電話口で弔報を聞いたときは、『はあ?そんなバカな?』という感じだった。
というのも、白と茶の方が年上で、順番からしたら、白茶の方が先だろうと思っていたからだ(それでもまだ数年先だと思ってた)。
正月に会った時だって、なんともなかった。
むしろ、白茶の方に、『お前も白髪増えたなあ。俺もだけどw』って、言ってたのに。
あれから一ヶ月も経ってないのに。
母親も泣いてたし、弟夫婦も泣いていた。
今日、朝一で実家に戻り、遺骨と対面。
初代の遺骨の隣に、小さくなったヤツが居た。
白茶は、ずっと一緒に過ごしてきた茶色が居ないので、時々、家の中を探して歩いている。
生き物の命は、一度失われると、二度と戻らない。
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