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2008-04-03

砂漠の惑星



レム三連続の最後を飾る一冊。

今までに読んだ、『エデン』『ソラリスの陽のもとに』に比べて、バイオレンス度強し。

書かれた順番は、
エデン→ソラリスの陽のもとに→砂漠の惑星

だけど、バイオレンス度数は、
砂漠の惑星>エデン>>(越えられない壁)>ソラリスの陽のもとに

になる。

なんといっても、無人戦車キュクロペスの火力は圧巻。

解説で、上遠野浩平氏が、件のシーンは『怪獣映画のようだ』と書いているけど、まさにそう。

ゴジラ対メカゴジラの如く、遠い場所からスクリーンを通して戦いを眺める人間。

これが実際の怪獣映画だと、勝負の鍵を人間が握ってたりするんだけど、そんなことはなく、単に弱い方が負ける。そこに一片の猶予もない。

更に言えば、負けた方は、自分を生み出した人間の手によって消される(;´д⊂)


とはいえ、そこはこのSF小説の肝ではなく(派手でわかりやすいシーンではあるのだけど)、やっぱり『宇宙には人間に理解できないこともある』が重要なのである。

六年前に同じ惑星に降り立ち、その後音信不通となり行方不明となった『コンドル号』について調査すべく、やってきた『無敵号』。調査が進むにつれ、恐ろしいことが明らかになってくる。

でも、明らかになるのは、実際に起きて、確かめられることについてのみで、他は推測に過ぎず、また最後まで明らかにされることもないのは、これまでの二作と同様。


三作続けて、レム作品を読んだんだけど、とにかく情景描写が長いと思った。舞台が地球でなく、未知の惑星なんだから、当たり前だろうという気もするけど、それでも長い気がする。





まだ、十九巻まで間があるので、次はクラーク追悼祭に入ります。

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