実はこの作品、小学生の時に、
SFこども図書館版(岩崎書店版は『海底パトロール』)を読んでいて、初見ではないのだが、流石にもう記憶の奥に追いやられていて、改めて新鮮な気持ちで読めるだろうと目論んでいた……んだけど、これは間違いだった。
初っ端、『ドン・バーリー』『ウォルター・フランクリン』の名前が目に入ってきた途端に、色々思い出し、そして、ドンが迎えるであろう運命を思い出して悲しくなった。
『三つ子の魂百までも』とはよく言ったもので、挿絵まで思い出した(子ども向けなので挿絵が豊富だった)。
原作は、三部構成で、ウォルターが牧鯨局に来るところから、局長に昇進し、人類の新たな一歩を踏み出す決意を固めるところまで。
ちなみに、岩崎書店版は、第三部がごっそりそぎ落とされている。
第三部は、宗教だのなんだのが絡んできて、あまり子供向けでないとの判断だったんじゃないかな。そのお陰というか、岩崎書店版は、カウボーイならぬホエールボーイが、牧鯨を行いつつ、未知の深海に挑み、友を奪われ、そこから立ち直り……な、正真正銘ジュブナイルに仕上がっていた(と思う)。
まあ、どっちが好きかと聞かれると、思い出は美化されてるし、あの頃から小説を読み始めるようになったという、かなり原体験に近い作品なだけに、岩崎書店版を挙げてしまうのだけど。
0 件のコメント:
コメントを投稿