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2008-08-11

タウ・ゼロ(TAU ZERO)



久々のハードSF

特殊相対性理論では、光の速度を超えることは出来ないとされているのだけど、光の速度に限りなく近づくことは出来る。

で、光速に近づけば近づくほど、外部との時間の“ずれ”が大きくなる。

書名の“タウ”は、ある物体が、光速で移動している時の内部での時間および質量と、静止しているときのそれとの違いを表す数値。

タウをt、光の速度をc、物体の速度をvとすると、



という式になる。

簡単に言うと、v=0(静止している状態)の時、タウは1。vがcに近づくほど、タウは0に近づいていく。

で、求められたタウをどうするかというと、
  • 移動する物体を外部から観測した際の質量 -> その静止質量をタウで割る
  • 移動する物体の内部での経過時間 -> 観測者の体感した時間にタウを掛ける

となる。

そろそろ混乱してきたけど、質量を1より小さい数字で割ると言うことは、元の質量より大きくなると言うこと。時間に1より小さい数字を掛けると言うことは、元の時間より短くなると言うこと。

つまり、光速に近づいて、タウが限りなく0に近づくと、物体の質量は増加し、物体内での時間は短くなる(相対的に、静止している観測者の時間が延びる)。

時間の方は、いわゆる“ウラシマ効果(光速で移動すると、周囲の時間は早く流れる)”ってやつ。


と、長々書いたけど、こんな知識を必須とするわけでもなく、知識なしでも面白い。

理論的な部分も多いけど、それ以外のフィクション的な部分も多くて、そっちのクォリティも高いからなんだろうなー。

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